福井県 越前海岸に浮かぶ鉾島(ほこじま)をご存じでしょうか?
鉾島は福井県有数の心霊スポットもしくはパワースポットとして様々な噂が飛び交っています。
鉾島は島というよりかは巨大な岩のような外観をしており、断崖絶壁をロープを頼りに登るというスリル満点の体験をできる島でもあります。鉾島を形成するのは大迫力の柱状節理。島の頂上には鉾島神社が建っており自由に参拝することもできます。
そんな鉾島は恐ろしい心霊スポットなのか、それとも神秘的なパワースポットなのか。鉾島の正体を調べるため頂上まで登ってきました!
鉾島ってどんな場所?
福井県を代表する観光スポット「東尋坊」から越前海岸沿いに車で南下すること約30分、鉾島の迫力ある姿が見えてきます。まずは鉾島がどんな場所なのか、歴史や鉾島に伝わる伝説に基づいて紹介していきます!
鉾島の歴史と地形
鉾島は越前海岸に浮かぶ柱状節理の島で、約1400万年前の噴火で流出した溶岩が冷え固まって形成されました。島を成す柱状の岩が鉾を並べたように見えることから鉾島と呼ばれています。
柱状節理とはマグマが冷えて固まる過程で収縮し割れ目が入ることによってできる模様で、割れ目1つ1つは五角形もしくは六角形の規則正しい形状をしています。柱状節理は地面から垂直に突き出たような形状が特徴的です。
鉾島は高さ50m、周囲80mほどの小さな島であり、島というよりかは巨大な岩という印象を受けます。島には遊歩道(というよりかは階段)が整備されており、島の頂上まで歩いて登ることができます。頂上までは急な階段や岩場が続きますが、10分ほどで行って帰ってくることができます。
鉾島の不動明王伝説
鉾島の頂上には鉾島神社が鎮座しており、不動明王様が祀られています。
昔この地域の漁村に1人の若者がいました。その若者は大層な働き者で、漁師として海に出つつ老いた母の面倒を見るなど人一倍働いていました。ある日漁をしていたところ、網に不動明王様の像が引っかかっていました。その晩不動明王様の像を枕元に置いて寝ていたところ夢枕に不動明王様が立ち、像を鉾島の頂に祀るよう告げたのだそう。
次の日、若者はお告げ通り鉾島の頂上に祠を建てて不動明王様の像を祀ったところ、それ以来村の漁師が漁に出る日は波がおさまり魚も大量にとれるようになったことから、地元の人々の信仰を集めるようになりました。
それから現在に至るまで、鉾島は地元の人から大事にされ信仰の対象としてあり続けているとのことです。
鉾島があるのは福井県の越前海岸
鉾島は、福井を代表する観光スポットである東尋坊から少し南に下った越前海岸沿いにあります。
東尋坊から車で30分ほど、福井駅からは車で40分ほどです。東尋坊を観光した後に越前海岸のドライブを楽しみながら向かうにはちょうどよい距離ですが、知名度の関係かあまり訪れる人は多くない印象です。
鉾島が心霊スポットとされる理由
鉾島が心霊スポットと噂される理由はなぜなのでしょうか?
それは福井県有数の心霊スポットとして知られる東尋坊や雄島とから比較的近く同じ越前海岸沿いにあるという点から、東尋坊や雄島で亡くなった方の魂が鉾島までやってくるのだという噂がささやかれているため。
また観光客が少なくその断崖絶壁の外見から、足を滑らせてしまっても誰にも見つけてもらえないのではないかというイメージから、恐ろしい心霊の噂が絶えないようです。
実際に鉾島の頂上まで登ってみましたが、頂上に向かう階段はこんな感じ。きちんとした階段というわけではなく、岩を階段状に加工した自然の階段です。日本海の荒波がすぐ下の岩場に打ち付けており、落ちてしまったらと想像すると恐ろしいです。
柵がないため危険な印象を受けるかもしれないですが、足を踏み外したら即海に落ちるというような場所はなかったので、普通に歩ける方であれば特に危ない場所はなさそうでした。ただ高所恐怖症の方には少しツライかもしれません。
半分くらい登ったところで道は急な階段となります。こちらにはロープが張られていますので、転倒に気をつけながらロープを握って進んでいきましょう。
観光客はこの日私1人のみでした。確かに1人で訪れて転倒をしてしまった場合には周りに助けてくれる人もおらず少し怖いなという印象を受けました。
パワースポット?頂上の鉾島神社に参拝
断崖絶壁の階段を登ること約5分ほどで頂上に到着することができます。
頂上には鉾島が福井県随一のパワースポットとして噂される要因となっている鉾島神社が鎮座しています。ここまでの道のりもそうでしたが頂上も結構狭いです。階段でも頂上でも譲り合いの精神が重要となりそうです。
こちらが伝説に出てくる不動明王様が祀られている祠です。
小さくて素朴な祠です。中の不動明王様の姿を拝むことはできませんでしたが、手を合わせて海の安全とこれからの旅の安全を祈ります。こんなアクセスの悪い場所にある小さな祠であるにも関わらず、つい最近誰かがお供え物を置いていった形跡があり、地元の人からは深く信仰されている神社であるということが分かりました。
頂上からの景色は絶景です。遠くには、亀が横たわっているような姿が特徴的な亀島(がめじま)を望むことができます。天気の良い夕方には、日本海に沈む夕日を見ることもできるそうです。
南側の景色です。越前海岸の海蝕地形が延々と続いています。不動明王様へのお参りと越前海岸の景色を堪能できましたので下山することにします。
柵のない岩肌の階段と日本海の荒々しい波に足がすくみます。このスリル感が鉾島の魅力な気がしてきました。探検好きの人はきっとワクワクできると思います。
ということで無事に鉾島の頂上まで行って帰ってくることができました!10分ほどで行って帰ってこれるので、探検好きの方にはぜひおすすめしたい観光スポットです。
鉾島の見どころと注意点
実際に鉾島を登ってみて、注意した方が良いと思ったことをまとめてみました。
足元はスニーカーで!
急な階段や岩場とも階段ともつかないような所を登っていくため、ヒールのある靴やサンダルはNG。
転倒して海に落ちるような場所はないものの、岩場ですので確実に怪我をしますので安全のためスニーカーで行くことをオススメします。
夜間や悪天候時の観光はNG!
周囲に明かりがないため、夜間に鉾島に登るのは大変危険です。柵のない箇所が多いためどちらに進んでいいのか分からなくなります。
また悪天候時は足を滑らせたり、波に攫われる可能性もあると感じたので天気の良い日に訪れましょう。傘をさせるようなスペースもないため、雨天時の観光もオススメできません。
高所恐怖症や足腰の悪い方は要注意!
頂上はかなりの高さであり、途中の遊歩道には柵の無い箇所もあるため高所恐怖症の方にはキツイかもしれません。また階段をひたすら上っていきますので、足腰の弱い方にも厳しいような気がしました。
駐車場と公共交通機関でのアクセス
駐車場は、鉾島の目の前にあります。駐車料金は無料で10台ほどが駐車できそうなスペースがあります。
公共交通機関でアクセスする場合は「京福バス 越前海岸ブルーライン」を利用するといいです。
バス停はこちら。バス停から鉾島の入口までは徒歩で3分ほどです。バス停から鉾島が見えますので、迷うことはないかなと思います。
結論:鉾島はスリル満点のパワースポット
いかがだったでしょうか?
実際に鉾島は恐ろしい心霊スポットという印象はなく、鉾島神社が鎮座する神秘的なパワースポットの島でした。島に伝わる伝説にも出てくる頂上の不動明王様に参拝することで、その後お旅路の安全や商売繁盛、健康祈願などのご利益を授かっていきましょう!
島全体を形成する大迫力の柱状節理、頂上から眺める越前海岸の海蝕地形など日本海の大自然からも神秘的なパワーを授かることができそうです。
皆さんも東尋坊観光のついでに鉾島まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか!