金沢の忍者寺「妙立寺」|予約してから拝観するまでの流れを徹底レポート【2024最新】

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石川県金沢市にある忍者寺「妙立寺」をご存じでしょうか?

金沢市街の南に位置する寺町寺院群には約70もの寺社が集まっており、その中に一風変わった寺院があります。正式名称は「妙立寺(みょうりゅうじ)」ですが、その特殊な造りから通称「忍者寺」として有名となっています。

本記事では拝観予約をしてから拝観するまでの流れを、2024年春に実際に忍者寺に訪れた際の様子とともに紹介していきます!最新の予約方法は?何日前に予約が必要?ガイドツアーの所要時間は?など観光する際に気になる点についても解説します!

金沢の忍者寺「妙立寺」とは?

「妙立寺」は、加賀藩藩主前田利常が寛永二十年(1643年)に創建した日蓮宗のお寺です。創建当時、加賀藩は百万石の外様大名として徳川幕府から警戒されており、かなりの緊張状態にありました。幕府の襲撃に備えいざという時迎え撃つために、金沢城の出城としての役目を持っていたのが今回紹介する忍者寺「妙立寺」です。

敵が攻め入ってくることを想定していたため、お寺の内部には敵を欺くためのカラクリや仕掛けが数多く施されています。物見台、落とし穴にもなる賽銭箱、明かり取り階段、隠し階段、左右で行先の変わる引き戸、切腹部屋、さらに建物の中心には金沢城への抜け道となる井戸など。至る所に仕掛けられたカラクリと入り組んだ造りのせいで、一度入ったら出てこられないと言われているほどです。一見普通のお寺ですが、その造りは4階建て7層、23の部屋と29の階段を備える複雑な造りとなっています。

そんな忍者寺ではガイド付きのツアーを毎日開催しています。ツアーでは忍者寺の仕掛けを実際に目の前で動かしながら解説してくれるので、是非一度は拝観予約をしてツアーに参加してみることをオススメします!数々のカラクリや複雑な造りは一見の価値ありです。

予約方法は?何日前に予約が必要?

忍者寺「妙立寺」の内部を見学するには、電話予約が必須です。境内は自由に入れますが、堂内に入るには拝観予約が必要になってきます。

予約は電話予約のみ。※ネット予約不可
(電話受付時間:午前8時30分より午後5時まで)

予約に必要な情報は、拝観人数、希望日時、氏名、連絡先(電話番号)になります。拝観時間は日によって1時間ごともしくは30分ごとに枠があるようです。(筆者が訪れたのは土曜日でしたが、休日のためか30分ごとの案内となっていました。)

予約受付は1ヶ月前の同日からとなっています。1回に案内する人数は20人ほどのようでしたので、拝観日が決まっている場合はなるべく早めに予約をしましょう。

枠が空いていれば当日予約も可のため何日前に予約が必要かという決まりはないですが、希望日時がある場合は、遅くとも1週間前には予約をすると良いでしょう。

「妙立寺」拝観の流れと所要時間

拝観予約ができたら、予約した日時に「妙立寺」を訪れましょう。

堂内への入場は予約時間の10分前からで、予約時間ちょうどにツアーが始まります。そのため遅くとも予約時間の10分前には「妙立寺」に到着しているようにしましょう。

まずは堂内入口で予約名を伝えて拝観料を支払います。

【拝観料】
・大人(中学生以上):1200円
・小学生:800円
※未就学児の拝観不可

拝観料の支払いは現金のみです。電子マネーやクレジットカード、バーコード決済等は2024年2月時点では対応していないとのことでした。

また大きな荷物を持っている場合は、受付で預けることになります。堂内は狭いためリュックや大きな荷物を持っている場合ぶつかって傷をつけてしまう恐れがあるため、貴重品以外は受付に預けていくことになります。

予約時間になり次第ツアーが始まります。本堂で「妙立寺」の由来を聞いてから、ガイドの解説を聞きながら堂内を巡っていきます。

ツアーの所要時間は30~40分ほどです。ツアー参加中はお手洗いに行くことはできません。またツアー開始から終了まで、同じ予約時間の参加者と一緒に見学していくことになります。個々人で自由に見学したり途中で抜けたりは基本的にできませんのでご注意ください。

「妙立寺」拝観時の注意点

一度入ったら出られない複雑な構造の忍者寺であるため、見学はガイド付きのツアーのみという「妙立寺」。見学する際にはいくつか注意点がありますので、事前にチェックしておきましょう!

他の拝観者と一緒に回るため遅刻厳禁!
見学ツアーは同じ時間に予約している拝観客と一緒に回ることになります。予約時間ちょうどにツアーが始まり、万が一時間を過ぎた場合は予約取消となります。他のお客さんに迷惑をかけないためにも時間には余裕をもって到着するようにしましょう。

駐車場が無いため車は近くのコインパーキングへ
「妙立寺」には専用の駐車場はありません。車で訪れる場合は近くのコインパーキングへ停めることになりますが、徒歩2-3分圏内にいくつかコインパーキングがあるため心配はなさそうです。車を利用する際はコインパーキングを探す時間も考慮しておきましょう。

堂内で勝手な行動はNG!
堂内はガイドに従って見学していくことになります。堂内は狭く複雑に入り組んでおり、落とし穴、隠し階段、1度入ったら出られない部屋などもあります。自由に見学したい人もいるかもしれませんが、確実に迷う上に勝手に行動すると怪我をする恐れもあるため、見学の際は必ずガイドの指示に従いましょう。

写真撮影は禁止!
堂内の写真撮影は禁止です。各々が写真を撮っているとツアーがスムーズに進まないからなのか全面的に写真撮影は禁止です。様々なカラクリや仕掛けを写真におさめたい気持ちは山々ですが、見学する際のルールですので必ず守りましょう。

車椅子やペット同伴での見学は不可
堂内の通路は狭く階段も多いため、残念ながら車椅子の利用やペット同伴での見学は不可とのことでした。見学にあたって懸念事項のある方は一度お寺に相談してみるのが良いかもしれません。

忍者寺のからくりと仕掛けを紹介

堂内の写真を撮ることはできませんが、見学ツアーで聞いてきた話しをもとに忍者寺の見どころを一部紹介します!

4階建て7層の堂内
「妙立寺」の造りは4階建て7層、23の部屋と29の階段、2つの落とし穴、加賀平野を望む物見台を備えたまさに要塞のような造りです。「妙立寺」が創建された江戸時代においては3階建て以上の建物が禁止されていましたが、外観からは分からないようにして4階建て7層の複雑な出城を築き、幕府の襲撃に備えていたのです。

落とし穴になる賽銭箱
本堂正面入り口にあるのが落とし穴にもなる賽銭箱です。畳2枚分の大きさの賽銭箱は、非常時には深さ2~3mの落とし穴として利用されていたようです。見学時に見ることができるのは賽銭箱の状態になります。

明かり取り階段
本堂正面に位置する階段は、蹴込みの部分が障子張りの造りになっています。障子張りになっていることで蹴込み部分から外の明かりが堂内に入ってくるため、敵の襲来時には足の影が見え槍などで攻撃することができたといいます。また階段横には下男部屋があり、そこで暮らす彼らの貴重な光源ともなっていたとのことでした。

左右で行先の変わる二枚戸
明かり取り階段を上ると、引き戸があり堂内に入ることができます。実はこの引き戸も仕掛け扉となっています。堂内から見るとこちらの引き戸は二枚戸になっており、左を開けると外へ、右を開けると別棟へ続く逃げ道が現れます。
堂内に逃げ帰ってきた味方が右の別棟へ逃げる、敵が堂内に入るため戸を開けると別棟への逃げ道が隠れる、敵が味方を探している隙に背後から攻撃できるという仕組みとなっており、一瞬で追うものと追われるものが入れ替わる仕組みとなっています。

茶室と隠し階段
3階には茶室がありますが、当時3階以上は建築していけない決まりだったため、その入り口は隠し階段となっています。隠し階段は押入れの中にあり、普段は座布団を置いて隠していたようです。外からもその存在を悟られないように、窓は小さく且つ高い位置に作られています。座ると外の景色を見ることは叶わなかったため、茶室内には富士山を模した細工が施されています。

落とし穴階段
本堂左手にある階段は、床板を外すと落とし穴が現れます。賽銭箱ほど深くなく怪我するほどではありませんが、入り口の賽銭箱から続きここの落とし穴に落ちることで、敵の戦意を削いだり不安を煽る効果があったようです。

隠し階段と自動ロック装備の床板
本堂裏には非常時に脱出するため床下に続く隠し階段があります。隠し階段は物置の戸を開けて床板を外すと現れますが、脱出できるということは外からも入ってこられるということにもなります。しかしそこにはちゃんと仕掛けが施されており、床板に溝が刻まれおり引き戸を閉めることで建物自体の重みが引き戸に加わることで自動的にロックがかかり外からは開かない仕組みになっています。

切腹の間
3階の茶室から2階の武者溜りへ進む途中に見ることができるのが切腹の間です。広さは4畳、「片どんでん返し」の造りになっており、一度閉めると内側からは開けられない仕組みになっています。その名の通り、いざという時に自害し火を放つための部屋だといわれています。

金沢城につながる井戸
建物の中央には戸室石で作られた井戸があります。どの部屋からもロープ1本で井戸に降りることができ、井戸の中には金沢城まで続く横道があると言われています。(実際に調べたことはないようです。)
こちらの井戸は継ぎ目がないのが特徴で、大きな戸室石をくり抜いて作ったものになります。

最後に

いかがだったでしょうか?
ご紹介したとおり「妙立寺」は実は忍者とは一切関係ないのですが、その造りの複雑さや奇抜さは日本屈指といっても過言ではありません。

金沢市街からのアクセスも良く、ガイド付きで堂内を余すことなく見学することができるため、観光スポットとしての満足度はかなり高いと感じます。

ぜひ金沢観光の候補に入れてみてはいかがでしょうか?

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